
中国の強引な海洋進出に備える離島防衛の強化に向け、陸上自衛隊が平成29年度末に創設する「水陸機動団」の準備が最終段階に入っている。共同作戦が想定される米海兵隊との訓練を年々拡充し、水陸両用作戦に従事する陸自隊員らの練度向上を図る。離島までの足となる強襲揚陸艦の導入や水陸両用車の日米共同開発など装備の強化も課題となる。
10日午後の群馬県・相馬原演習場で、陸自のCH-47大型ヘリコプターから降り立った米海兵隊約20人の大声が響き渡った。
「ゴー、ゴー、ゴー!」
海兵隊員は時折地面に伏せながら前進して周辺地域を制圧。続いて到着した陸自隊員が海兵隊と合流し、垂直離着陸輸送機MV-22オスプレイに負傷兵を搬送した-。
17日に終了した12日間の共同訓練「フォレスト・ライト」の一場面だ。水陸機動団の創設まで1年となり、陸自が海兵隊の実戦経験から学ぶ共同訓練の機会は急速に拡大している。
四方を海に囲まれ、6,800もの離島を有するわが国では、南西諸島を中心としてゲリラや特殊部隊などの外敵に対する備えが大きな課題だ。
水陸機動団は、14年に発足した陸自西部方面普通科連隊(西普連)を中核とし、主に離島防衛・奪還作戦を担う。現行の中期防衛力整備計画(中期防)では、新たに人員輸送や作戦指揮などに用いる水陸両用車「AAV-7」を52両調達。実戦では海・空自衛隊や海兵隊と協力しながら、AAV-7やボートのほか、オスプレイなどで離島に上陸して侵攻した敵勢力と対峙する。
こうした能力を獲得するため不可欠なのが、数々の戦場を渡り歩いてきた米海兵隊が有するノウハウだ。
陸自と米海兵隊の共同訓練は当初、昭和56年に始まった「フォレスト・ライト」だけだったが、平成17年以降は米国で離島防衛の訓練を行う「アイアン・フィスト」に部隊を派遣。25年に「ドーン・ブリッツ」、26年には米海軍が主催する「環太平洋合同演習(リムパック)」への参加も始め、在沖縄米海兵隊での要員研修も24年から行っている。
共同訓練では、ヘリコプターから海中への飛び降り方や武器を携行して浅瀬を進むコツなどを学ぶ。
「すぐには外に出るな!」
2月に米カリフォルニア州で行われたAAV-7での上陸訓練時では、海兵隊員が厳しい声で陸自隊員を制する場面もあった。陸自関係者は「敵前上陸の訓練で米軍は、海岸に上がるまで極めて慎重だが、いったん上陸すると素早く前進する。この切り替えが速い」とうなる。
隊員の練度向上に加え、装備の充実も課題だ。AAV-7は速度やサンゴ礁を乗り越える能力などに難があるとされ、防衛省は国産水陸両用車の研究に着手。日米共同開発も視野に入れる。大量の人員や物資、上陸用舟艇などを搭載できる強襲揚陸艦の導入も検討課題の一つだ。ただ、揚陸艦を導入した場合、運用することになる海自関係者は「現在の海自の人員や予算の枠を維持したままでは運用するのは難しい」と打ち明ける。安倍晋三首相は防衛費に関して国内総生産(GDP)1%にこだわらない考えを示しているが、水陸機動団の態勢構築には大幅な防衛費増が必要となる。
【用語解説】
水陸機動団 尖閣諸島(沖縄県石垣市)をはじめとした離島に他国が侵攻した場合、迅速に機動展開して奪還作戦に従事する水陸両用部隊。本部は陸上自衛隊相浦駐屯地(長崎県佐世保市)で、平成29年度末に隊員約3,000人規模で発足する。25年12月に策定した「防衛計画の大綱」に盛り込まれ、14年に発足した西部方面普通科連隊が中核となる。米国製の水陸両用車「AAV-7」などが主要装備。
本記事は産経ニュースより引用しました^^
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SNSなどの情報によると、公開される米海軍の艦艇は「巡洋艦」とのことです!
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