前回の記事の続きです^^♪
今回の記事では皆様が大好きな(?)電子戦装置に関して見て参ります(`・ω・´)ゝ
その前に。。。


「あきづき」のマストです^^
マストは平面で構成されており、従来のトラス構造のラティスマストよりもRCS(Radar Cross-Section:レーダー反射断面積)が低いことを伺うことができます。
これはFCS-3A(00式射撃管制指揮装置3型)を装備することで、大型で重量のある回転式の対空レーダーをマストに装備しなくて済むようになったためだと言われています。

2015年12月に撮影した「ふゆづき」のステルスマストです。
「てるづき」には後述するORN-6E-2 TACANから空中線が伸びていません。
※2017年1月にJMU(Japan Marine United)から引き渡された際に、空中線が追加された模様。
また、各張り出しのフラット部分は全て四角柱で角を外に向けるようになっています。
それぞれの支柱は直接マストへは接続されず、台形の板を介して溶接されていることが分かります。
それでは、各電子戦装置を見ていきます(`・ω・´)ゝ

マスト最頂部の円盤状のものは「戦術航法援助装置」であるORN-6E-2 TACAN(Tactical Air Navigation)になります。
TACANの下の板状のものはUHF(Ultra High Frequency:極超短波)アンテナで、右舷側のヤードにも取り付けられています。
赤・緑の航海灯の下にはバウムクーヘン状のLINK16アンテナが設置されており、足場の下、前のフラットには電子戦支援装置であるNOLQ-3D ESM(Electronic Support Measures)が備えられています。
基本的な構成はあたご型と同じですが、それぞれ新型に変更されているため、微妙に形状が異なります。

ESMの下段には敵味方識別装置のOPX-11 IFFがあり、その下のフラットには上記と同じESM(箱型)が両舷側に設置されています。
更に下のフラットには航海用レーダーであるOPS-20Cが備えられており、後述しますがヘリコプター用データリンクアンテナであるORQ-1C-2のレドームが頭を覗かせています。
ESM後方の張り出しには赤・橙・青の状況灯が並んでいます。

対空レーダーの下のフラットには白いレドームが特徴のヘリコプター用データリンクアンテナであるORQ-1C-2が備えられており、右舷側のフラットには航海用副レーダーであるOPS-20Cが置かれています。
艦橋天盤にはこちらも白いレドームが特徴となっているXバンド、Kuバンド帯に対応しているスーパーバード衛星通信アンテナのNORA-1Cが設置されており、その手前にNTTdocomoアンテナ、撮像機のHCK-241HDW-Eが置かれています。

各フラット下部やヤード、ヤードを支える支柱にはレーダーなどの乱反射を防ぐ、板状の電波吸収材が各所に所狭しに取り付けられています。
この措置はRCS低減を意図したものではなく、あくまでも乱反射を防ぐことを目的としたものです。
1枚1枚に白い文字で「ペンキ塗るな」と書かれています。


左右両舷側のヤードには風向風速発振器、点滅信号灯、HF(High Frequency:超短波)タブレットアンテナ、ヤードから第1煙突両舷脇に突き出す支柱の間に張られているHFアンテナが設置されています。

艦橋構造物の上部壁面に装備されたFCS-3Aです。
大きい方が捜索・追尾用のCバンド帯、小さい方が下記管制用のXバンド帯を使用しています。
光の加減によって、壁面が内側に凹んだ俗にいう「痩せ馬」になっているのが分かります。

CバンドとXバンドは隣り合う面に、干渉を避けるためと思われる板が設置されています。
Cバンドは横辺のみですが、Xバンドは横辺と下辺にあります。

2012年8月に撮影した、進水時の「ふゆづき」です。
FCS-3Aが装備される面は塞がれているのが分かります。

艦橋両舷のウィング前面には遮風装置が設置されています。
これは前面に当たる風の方向を変えて上に逃がし、エアースクリーンを構成するもので、ウィングへの風の吹き込みを低減することができます。
ウィングの下部には舷灯を装備しており、夜間の航海中に自艦の進行方向を伝える役目があります。
右舷が緑灯、左舷が赤灯となっています。

艦橋前面の下部から生えている基部が緑色のN-AS-299 空中線です。
短波を受信するための空中線で、艦橋脇両舷、後部のFCS-3Aを収めた上部構造物に計4本装備されています。
その隣には水上艦用機関銃架3形が置かれており、「あきづき」には艦橋構造物前部に左右1基ずつ、「てるづき」以降は後尾のヘリコプター格納庫天盤上に左右1基ずつが装備されています。

「あきづき」の錨甲板です^^
手前に言える円筒形のものはキャプスタンと呼ばれ、揚錨機を構成します。
錨鎖は錨鎖導板上に伸び、上甲板からホースパイプを通して主錨に繋がっています。
また、歩行帯は甲板に滑り止め加工がされていますが、戦闘通路のような白線は描かれていません。
写真下の部分には艦内へ空気を送る通風装置の上部を見ることができます。

高性能20mm機関砲と共に「あきづき」の砲煩兵装であるMk45 mod4 62口径5inch(127mm)単装速射砲です(≧ω≦)b
前から撮影して、全体を写すことができなかったので。。。"(-""-)"
あたご型と同型となる米海軍製の主砲で、海上自衛隊の汎用型護衛艦として初めて搭載されました。
Mk45 mod4は62口径と長砲身であるため、発射速度こそOto-Melara(オート・メラーラ)社製の127mm砲より半減しますが、最大射程は50%増で38,000mを超えます。
また、弾火薬庫から揚弾、砲身への装填も完全自動となっています。
砲弾は円錐状の弾頭部と筒状の薬莢部に分かれており、実際に飛んでいく弾頭部には水上弾、榴弾、対空弾、演習弾、照明弾があります。
なお、センサーが弾頭未搭載をエラーと感知して空砲としては使用できません。。。

2015年3月に乗艦したUSS DDG89 Mustin(マスティン)のMk45 mod4 62口径5inch(127mm)単装速射砲です^^/
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■諸元
口径:127mm
砲身長:62口径
砲身数:1門
砲弾重量:31.75kg
初速:約823m/s
発射速度:16~20発/m
射程:37km
旋回範囲:±170度
旋回率:30度/s
俯角範囲:-15~+65度
マウント重量:24.389t
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Mk45 mod4 62口径5inch(127mm)単装速射砲の周りの甲板には薬莢が落ちた跡がありました。
訓練時は黒いゴムマットを敷きますが、波浪などもあり全てを保護している範囲に落とすことは難しいようです。

「あきづき」の戦闘通路です^^
写真の通り、艦橋構造物の側を通る通路には艦橋構造物に沿って白線が引かれています。

2015年10月に乗艦した「てるづき」の戦闘通路です。
艦橋構造物に沿っておらず、直角に引かれていることが確認できます。
※「すづつき」、「ふゆづき」はまだ乗艦したことがないので。。。(苦笑)
続いては、見学順路に沿って左舷側のスカートを潜ります(`・ω・´)ゝ