ゆーのミリ活日記

趣味のミリ活(ミリタリー活動)をしています。 使いやすいアメブロに移行しましたm(_ _)m

↓下記、アメブロに移行しましたm(_ _)m
https://ameblo.jp/milikatsu

そうりゅう型潜水艦8番艦SS508せきりゅうの引渡式も近いので、記事にさせて頂きます(`・ω・´)ゝ

2013年3月6日(水)に三菱重工業神戸工場から海上自衛隊へと潜水艦が引き渡されるとの情報を得たので、部活動をサボって写真を撮ることができそうな「兵庫突堤」辺りまで行ってきました o(・ω・o)=з=з

当時は海自のイベント情報やプレスリリースを見ていなかったのに加え、ブログやSNSもしていなかったので、どうやって情報を得たのか思い出せません。。。

が、普段から救難飛行艇US-2/US-1Aの離着水や阪神基地隊の第42掃海隊を間近で見ていたので、ミリオタとして歩み出していたかと思います(苦笑)

この日の部活動は有志を募っての練習(本来は振替休日)だったため、両親がお医者さんという金銭感覚が可笑しい先輩から一眼レフのカメラを借り、ロードバイクを漕いでいったのは覚えています(*´▽`*)

そして、引渡式の時間も調べずに、行き当たりばったりで向かいます(`・ω・´)ゝ

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何度か道に迷いましたが、何とかそうりゅう型潜水艦5番艦であるSS505ずいりゅうの見えるところに到着しました(≧ω≦)b

今にして思うと、自分の意志で行った初めてのミリ活・艦活です^^♪

幼い頃は近所に住む地方協力本部の人に連れられ掃海母艦の一般公開に参加したり、友人に連れられて、「いせ」の一般公開や阪神基地サマーフェスタには行っていました(苦笑)

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今でも初めて見る潜水艦に目を丸くしたことを覚えています^^♪

友人から潜水艦の艦番号、艦名は行動を秘匿するため直ぐに消される旨を聞いていたため、「いせ」を初めて見た時よりも感動は大きかったと思います。

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所属の分からない「こうべ」と所属と川崎汽船の連結子会社である日東タグが所有する曳船(タグ・ボート)「鳳月丸」です!!

この後撮影した写真を見ると、特に「ずいりゅう」の出港のサポートをしたわけでもなさそうです^^

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「ずいりゅう」の潜水艦の乗員が甲板へ乗り込みます o(・ω・o)=з=з

潜水艦の名称は、「海象、水中動物の名、瑞祥動物(縁起の良い動物)の名」を付与することが決められており、艦名の「ずいりゅう」は「美しくみずみずしい龍」を意味する「瑞龍」に由来します ^^

定係港は横須賀基地で、第2潜水隊群第4潜水隊に配属され、2013年4月23日に艦橋に付された艦番号「505」が除去され、慣熟訓練、本格任務を行っています。

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三菱重工業が保有する曳船(タグ・ボート)「生田丸」が曳航索を「すいりゅう」に掛けます^^

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■諸表
基準排水量:2,950t
水中排水量:4,200t
全長:84.0m
全幅:9.1m
深さ:10.3m
吃水:8.5m
機関方式:ディーゼル・スターリング・エレクトリック方式
     川崎/コックムス4V-275R MkIIIスターリング機関×4基
     鉛蓄電池
     推進電動機×1基
推進器:スクリュープロペラ×1軸
速力:水上:13Knot(24km/h)
   水中:20knot(37km/h)
潜航深度:不明
乗員:65名
兵装:HU-606 533mm魚雷発射管×6門
   89式長魚雷
   Harproon(ハープーン)級USM(Underwater to Surface Missile:潜水艦発射対艦ミサイル)
C4ISTAR:ZYQ-31指揮管制支援ターミナル
     情報処理装置(TDBS)
     ZQX-11潜水艦戦術状況表示装置
     ZYQ-51潜水艦発射管制装置
レーダー:ZPS-6F 対水上捜索用×1基
ソナー:ZQQ-7 統合式
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少し場所を移動します o(・ω・o)=з=з

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正面に移動しました(*´▽`*)

到着して20分後くらいに「ずいりゅう」が海自に引き渡され、出航します(`・ω・´)ゝ

微妙に歪んでいますが、初めてのミリ活・艦活での写真のため、気になりません^^♪

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2013年1月28日に竣工したばかりの海上保安庁第5管区海上保安本部のよど型消防巡視艇であるPC55ふどうです^^

前級のはまぐも型消防巡視艇を拡大した巡視艇になります。

主機の出力が3割増しとなり、主機のパワーアップに伴い消防ポンプの放水量も増し、16,800L/mははまぐも型巡視艇の倍以上になりました。

装備する大小4基の放水銃は操作盤のモニター上で放水点を指示すると、操作室上のレーザー測距儀及び放水櫓上の赤外線カメラの情報を元に、向きや放水圧力が自動調整され、ジョイスティックで統合操作をすることができます。

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「ずいりゅう」は曳船(タグ・ボート)にゆっくりと引っ張られていきます。

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曳航索に引っ張られているのがよく分かる写真かと。

左に写っている曳船(タグ・ボート)は先程と同じ「生田丸」です^^/

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隊員さんに短時間でもこちらを向いてほしかったです(苦笑)

「ずいりゅう」が動き始めてからは、ずっと心が躍っていました(*´▽`*)

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何度見ても飽きません(苦笑)

今月13日(月)に引き渡される「せきりゅう」が横須賀と呉のどちらに配備されるかは存じませんが、どちらに配備されても「ずいりゅう」だけは見分けることができますね^^♪

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三菱重工業の「生田丸」が引っ張り、日東タグの「鳳月丸」が側で見守っている状況です。

完全に逆光ですが、気になりません(苦笑)

今月の練習艦隊寄港の撮影も撮影場所を考えないといけませんね。

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22年間の就役期間のうち、3月6日~4月23日の期間しか表示されない「ずいりゅう」の艦番号です^^

そうりゅう型は前級のおやしお型と比べると、艦首や艦尾の曲線が変更され、セイルをやや前方に移動させ、その基部にフィレットと呼ばれる流線形の覆いを追加するなどの改良を加えています。

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艦名も艦番号同様に就役して数日で消されてしまいます。。。

救命胴衣を着用しているのが海自隊員で、青い作業服を着ているのが三菱重工業の方でしょうか??

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クルーズ船の航路に出ました o(・ω・o)=з=з

奥に見える橋のようなものは、神戸空港の誘導灯になります。

整列していた隊員さんたちは、所定(?)の作業へと移ります(`・ω・´)ゝ

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国内最大級の豪華レストランシップ「ルミナス神戸2」とのコラボです^^♪

艦番号の入っている「ずいりゅう」とは、最初で最後の共演になりました(´・ω・`)

3月13日(月)には神戸港へ世界で最も有名な豪華客船の名前を受け継ぐ3代目「クイーンエリザベス」の入港がありますが、時間帯が合わないのと「クイーンエリザベス」の接岸場所がポートターミナル4Q1/4Q2バースのため、難しそうです。。。

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最後に「ずいりゅう」の真後ろ。。。に近いアングルを撮影してカメラの電源が落ちました(苦笑)

借りた状態でバッテリーが。。。などという文句は言いませんm(_ _)m

少しでも撮影、この目で見ることができただけでも満足です^^♪

13日(月)の「せきりゅう」引渡式は晴れると良いなー(*´▽`*)

今年度のスクランブル1000回超えて過去最多に 野克俊統幕長「中国が非常に活発」

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防衛省の河野克俊統合幕僚長は2日の記者会見で、日本領空に接近した外国軍機などに航空自衛隊機が緊急発進(スクランブル)した回数が今年度はすでに計1,000回を超え、通年で過去最多を更新したことを明らかにした。これまでは昭和59(1984)年度の計944回が最多だった。背景について河野氏は「中国の活動が非常に活発化し、活動範囲も広がっていることが主な原因だ」と述べた。

防衛省によると、領空侵犯はなかったが、今年度のスクランブルは統幕が詳細を公表している第3四半期まで(昨年4~12月)で計883回(前年度同期比316回増)に達している。国別では中国が644回で全体の約73%を占め、ロシアの231回が続いた。

これまで最多だった昭和59年度は米ソ冷戦期で、ソ連機に対するスクランブルが大半を占めた。近年は積極的な海洋進出を背景とした中国機が急増し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の空域に接近する中国機も多いという。元空自幹部は「中国は尖閣の実効支配に向け、領空侵犯を狙っている。増加傾向は続くはずで、日本も数の優位を確保すべきだ」と指摘する。

通年のスクランブル回数は4月に公表される。今年に入ってからは1月9日に中国空軍のH6爆撃機など計8機が対馬海峡の上空を往復。同月24日にはロシア軍のTU95爆撃機2機が日本を周回飛行するなどし、いずれも空自機がスクランブルを行った。全体の傾向として中国は戦闘機が、ロシアは情報収集機が多い。

→OSAKA防衛・防災フェスティバル2017の防衛エリアでは
■陸上自衛隊
16式機動戦闘車(試作車)
03式中距離地対空誘導弾
11式短距離地対空誘導弾
94式水際地雷敷設装置
FH-70 155mm榴弾砲
NBC偵察車
96式装輪装甲車
87式偵察警戒車
01式軽対戦車誘導弾
87式地対戦車誘導弾
人命捜索・救助セット
軽装甲機動車
指揮通信車
野外手術車
81式自走架柱橋
AH-64D

■航空自衛隊
地対空誘導弾「PAC-3」

■海上自衛隊
MSC683つのしま

他にも炊き出し、足湯が楽しみです^^♪

陸自装備はじっくりレポートをしたことがないため、結構楽しみにしています(*´▽`*)

「あきづき」一般公開の最後になります(`・ω・´)ゝ

格納庫内部の見学を終えて、艦尾飛行甲板へと出ます o(・ω・o)=з=з

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後部のヘリコプター格納庫です^^

左舷側には火災の際に使用する消火栓とラックに入っている消火ホースが備えられていました。

むらさめ型、たかなみ型と同様、哨戒ヘリコプターを最大2機搭載可能ですが、あきづき型は傾斜が付けられている分、全体的に大きく見えます^^♪

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格納庫の上部です^^/

格納庫入口上部には矢印のような着艦誘導灯があります。

ライトの点滅によって着艦するヘリコプターに正しい姿勢を灯し、誘導する装置になります。

その上に見えるのは水平灯で、格納庫の天盤に設置され、ホバリングするヘリコプターに艦の動揺状態を伝えます。

基部が蛇腹状になっており、常に水平を示します。

更に上には高性能20mm機関砲が備えられており、艦橋前部のものを21番砲、艦尾のものを22番砲と呼ばれています。

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格納庫の上部にはFCS-3A(00式射撃指揮装置3型)、NORC-4B インマルサット衛星通信アンテナ、TVアンテナ、E/O照準器が備えられていました。

E/O照準器に関しては情報が少ないですが、兵装に組み込まれているため光学FCS(Fire Control System)の模様です。

またFCS-3Aがある構造物の反対側には米海軍の偵察衛星であるFreesat(フリーサット)を利用したUSC-42 衛星通信アンテナが装備されています。

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2015年10月に撮影した「てるづき」の後部構造物です。

「あきづき」では装備されていたUSC-42 衛星通信アンテナが「てるづき」では装備されていません。

「すずつき」、「ふゆづき」も同様で、実装できるようにフラットだけが設けられています。

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飛行甲板に展示されていたのは、大村航空基地に所属する第22航空隊のSH-60K SeaHawk(シーホーク)「#8424」でした^^♪

第22航空隊隷下の第222飛行隊のSH-60Kで、コールサインは「WYVERN(ワイバーン)」です(*´▽`*)

航空機はいつの一般公開でも人気で、長蛇の列ができていました。

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艦載哨戒ヘリコプターは、舞鶴航空基地などの陸上の航空基地を母基地としますが、護衛艦に搭載して潜水艦や艦船を探知・攻撃する能力を持っています。

海上自衛隊では1980年代後半からSikorsky Aircraft(シコルスキー・エアクラフト)社製のSH-60Jを使用していましたが、この機体をベースに「対潜水艦、対水上戦能力の向上」、「警戒・監視や人員、物資輸送など多用途性の向上」、「安全性の向上」を掲げ、我が国独自の改造・開発をし、後継機として誕生したのが最新のSH-60Kです。

2005年から部隊配備を開始し、SH-60Jとの入れ替えが進んでいます。

SH-60Jより機体は大型化され、機内空間が拡大したことと、最大乗員も8名→12名へ増加しています。

エンジン出力も向上し、機体上部の回転翼の形状も新開発され、ホバリング性能が向上しました。

機体に搭載される先進戦術情報処理装置やレーダーなどの各種電子機器類も近代化され、より哨戒能力が向上しています。

また、搭載できる兵装もSH-60Jが短魚雷と機関銃のみだったことに対し、SH-60Kでは97式短魚雷に対潜爆弾、空対艦ミサイルも携行でき、威嚇や警告の手段が増えたことも特徴となっています。

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発着艦標識の「不」型の着艦標識の斜めの線は、その機体から見て斜めの線が確認できる位置でホバリングしながら待機・着艦する為の線とのことです。

となると、「凸・T」型はどのような意味があるのでしょうか??

何となく想像はつきますが、ソースがないので。。。m(__)m

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汎用型護衛艦には標準装備となりつつある、ヘリコプター甲板上右舷側にあるLSO(Landing signal officer:発着艦管制室)です。

フレームに囲まれたこの場所から、ヘリコプターの発着艦を行います。

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右舷後部に設置された「膨張式救命筏」です。

一つの筏の定員は25名で、膨張式救命筏の中には救難食料25個、飲料水75個、船酔い薬150個、発煙浮信号、釣り道具などが装備されています。

その隣にあるガスタービンエンジンの吸気口は、潮風を吸い込む関係で錆が目立ちます。

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あきづき型の右舷側にのみ設置されている、揚収用のクレーンです。

折り畳み式になっていて、使用時は伸縮式のブームを伸ばしてRHIB(Rigid-Hulled Inflatable Boat:複合艇)などを舷外に吊り下げます。

揚収用のクレーンを撮影して「あきづき」の舷梯を降りました o(・ω・o)=з=з

続いては、岸壁から艦尾を写します^^

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右舷側の艦尾です^^/

ボラードには繋留索が綺麗に巻き付けられています。

その奥に見えるのは、巻胴(ドラム)と呼ばれる曳航索や繋留索を巻き取る装置になります。

基部が緑色のものはホイップ・アンテナで、可倒式となっています。

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艦尾全体を撮影^^♪

飛行甲板から艦尾への緩やかな坂は「ミニ・オランダ坂」と呼ばれています。

これは、初期の海上自衛隊護衛艦の設計上の特徴であったオランダ坂に喩えて、ミニ・オランダ坂と呼ばれているもので、オランダ坂自体は、長崎県長崎市東山手町にある石畳の坂道の名称です。

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適当に連射して撮影した艦尾旗竿に掲揚されている自衛艦旗(旭日旗)です。

背景が灰色なのが残念。。。

自衛艦旗を撮影し、名残惜しくも帰路に着くことと致しました。

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「あきづき」を正面から捉えました(苦笑)

フェンスが邪魔するため、デジタルカメラか脚立があれば正面から撮影することができそうです。

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某フェリーターミナルから撮影した「あきづき」です。

平日なので無理でしたが、入港シーンを撮影したかったですね(*´▽`*)

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南海電鉄南海線和歌山港駅とフェリーターミナルを繋ぐ連絡通路から撮影しました。

アングル的にはこれが一番好きですね^^♪

その後は和歌山港駅からの電車がなかったため、和歌山駅まで歩き&タクシーを使って向かいました o(・ω・o)=з=з

ご一緒させて頂いた方々、誠にありがとうございましたm(_ _)m

本ブログは私が足を運んできたミリ活・艦活の日記・メモ代わりに利用しております。
自衛隊に興味ある方に読んで頂ければと存じますが、その筋の方や専門家の方が閲覧することを想定しておりません。
ご指摘・ご教示頂けると大変嬉しいですが、何卒ご笑覧頂けると幸いです。
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【最終加筆2017年5月15日】
今回の考察では、海上自衛隊が計画中のミサイル護衛艦(DDG)に関して、取り上げさせて頂きます(`・ω・´)ゝ

名称に関しては、次期イージス艦、27DDG、8,200t(8,200トン)型護衛艦、DDG179、あたご型護衛艦3番艦など多くの名称がありますが、このブログでは「27DDG(28DDG)」で統一しますm(_ _)m

※「世界の艦船」にて「あたご型3番艦」の表記があり、新しい艦級になるかもしれませんが、併せて表記しておきます。

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■1.27DDGの概要
まず27DDGの細部を見ていく前に、海上自衛隊の8,200t型護衛艦の概要を振り返ってみます。

※下記の数値は平成29年1月5日(木)現在のものであり、今後変更が加えられる可能性があります。
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基準排水量:8,200t
満載排水量:10,070t
全長 :169.9m
水線長:158.0m
最大幅:21.0m
水線幅:19.0m
深さ:12.0m
喫水:6.3m
機関形式:COGLAG(ハイブリッド推進方式)
軸数:2軸
速力:30knot
兵装:62口径5inch単装砲 1基
  :高性能20mm機関砲 2基
  :Mk99 ミサイル射撃指揮装置 3基
  :Mk41 VLS(垂直発射装置) 一式
  :艦対艦誘導弾発射装置 一式
  :Mk160 砲射撃指揮装置 一式
  :HOS-303水上発射管 1基
  :情報処理装置 一式
  :SPY-1D(V)対空レーダー 一式
  :SPQ-9B(対水上レーダー) 1基
  :EW装置 一式
  :SQQ-89(V)対潜システム 一式
  :TACTASS(MFTA) 一式
  :CEC 一式
乗員:340名
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基本的な船体構造はネームシップであるあたご型をベースにしているものの、基準排水量で500t、全長で約5mの増加が見られます(こんごう型と比べると、基準排水量で約1,000t、全長で約9.0m大型化)。

搭載するミサイルに関して上記の項目には書いておりませんが、就役当初からBMD(Ballistic Missile Defense:弾道ミサイル防衛システム)能力を有する海上自衛隊初のイージスシステム搭載護衛艦であり、日米共同開発中であるSM-3ブロックIIAの発射能力も予め備えています

また、27DDGは近距離低高度目標の索敵探知能力に優れた対水上レーダー(SPQ-9B)や他の護衛艦などと絶え間なくセンサー情報を交換するCEC(共同交戦用ネットワーク)を搭載しているとのことです。

CECに初めて対応し、射撃に使用できる水準の高精度データの共有が可能となったため、CEC対応艦同士なら他艦のセンサー情報だけでミサイル攻撃が可能になります。

既にBMD能力を有するこんごう型4隻と同能力を付与するために特別改造計画が進められているあたご型2隻、そして27DDG、28DDGの登場により海上自衛隊の弾道ミサイル攻撃対処能力や艦隊の防空能力は間違いなく、飛躍的に向上します。

さらには指揮通信統制能力も備えていることから、指揮中枢艦としての役割や国際平和協力活動や国際緊急援助活動といった海外における派遣任務、大規模派遣での活躍も大いに期待できます。

まさに自衛隊の「国土防衛」「災害派遣」「国際協力」を具現化した艦と呼べるでしょう。

※27DDG、28DDGの就役に際して、「はたかぜ」、「しまかぜ」は練習艦に種別替えされる模様。

■2.船体
現状では既に27DDG、28DDG共に建造予算が承認されています。
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Wikipediaより引用

予定では、27DDGの起工が平成29年、進水が平成30年、竣工が平成32年、28DDGの起工が平成30年、進水が平成32年、竣工が平成33年となっています。

※起工:建造を開始すること、進水:建造された艦船が船台から降ろされて、水上に浮かぶこと、竣工:艤装・公試が完了し、海上自衛隊に引き渡せる状態であること。

本家である米海軍のArleigh Burke(アーレイバーク)級ミサイル駆逐艦にはない高い司令部機能や海上自衛隊の運用所要に応じた工夫が施されている護衛艦です。
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2016年(平成28年)舞鶴基地で行われた「あたご」体験航海

あたご型護衛艦の船体構造を継承していますが、こんごう型、あたご型の運用実績を踏まえて設計されるため、本級は日本のイージスシステム搭載護衛艦の完成型と言っても過言ではないでしょう。

あたご型と異なる点はRCS(Radar Cross Section:レーダー有効反射面積)の低減をより意識した艤装品の遮蔽が随所に施されていることが挙げられます。

またあたご型と比較して航空機の整備能力が新たに追加されていて航空機運用能力が大幅に強化されることは注目すべき点です。

船体におけるその他の特徴としては、就役時から女性自衛官の乗艦を考慮して設計されている(らしい)ことでしょう。

最近のニュースで戦闘機のパイロットにも女性を登用することが決まったことからも今後の女性自衛官の活躍が楽しみです。

あと、27DDGから搭載艇が変更されており、あたご型では11m作業艇2隻、7.5m RHIB(Rigid Hulled Inflatable Boat:複合型作業艇)1隻が搭載されていたのが、27DDGでは11m作業艇1隻と7.5m RHIB1隻をそれぞれ艦橋構造物の両舷に搭載し、RHIBの搭載位置変更に伴い、構造物が若干前方に拡大されています。

■2-1.RCS低減対策
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左からDD115あきづき、DDG175みょうこう、DDG177あたご、USS DDG54 Curtis Wilbur(カーティス・ヴィルバー)

27DDGでは、搭載艇の揚収装置基部、中部スライディング・パッド・アイ周辺、前甲板への舷側通路などが遮蔽され、艤装品の細部に渡ってRCSの低減に配慮されていそうです。

が、最新画像を見る限り相変わらず搭載艇をシャッターで格納しない模様。。。

個人的には搭載艇のシャッター内の格納や煙突上部のガスタービンなどの排気管はあきづき型のように煙突内に納めてほしいのですが。。。(苦笑)

※米海軍のArleigh Burke級Flight(フライト)IIA後期建造型から搭載艇のシャッター内格納を廃止したため、こちらは難しいかもしれません。

■2-2.航空機運用能力
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2016年(平成28年)舞鶴基地サマーフェスタにて展示飛行中の第21航空群第23航空隊第231飛行隊のSH-60K「#8425」。コールサインは「MAIZURU」。

あたご型は米海軍のArleigh Burke級FlightIIAをモデルとして格納庫を装備していますが、航空機の整備能力までは有しておりません。

航空機搭載護衛艦には必須装備になっている着艦拘束具も予算的な関係から後日装備(未だに未装備)とされています。。。

※航空機を運用するにあたっては着艦拘束装置の装備のほか、航空機整備機材、航空機運用弾庫、航空機材用倉庫、TACAN(Tactical Air Navigation:航空機戦術航法装置)など多くの機材が必要です。

27DDGはあきづき型から採用された着艦拘束具Mk6 RAST(Recovery Assist, Secure and Traverse)1基を搭載すると考えられ、後部の上部構造物中央にMk41VLSが装備される関係上、航空機は左舷に沿って格納されると思われます。

■2-3.建造
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防衛省 我が国の防衛と予算平成27年度予算の概要、平成28年度予算の概要より引用

2015年度(平成27年度)計画において、ネームシップの建造費と2隻分のイージスシステムの一部の調達費として1,680億円が盛り込まれました。

それに加え、2016年度(平成28年度)計画の概算要求には、2番艦である28DDGの建造費として1,734億円が盛り込まれて、予算承認がされています。
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Wikipediaより引用

現在海上自衛隊に配備されているミサイル護衛艦「こんごう」、「きりしま」、「みょうこう」、「あたご」、「あしがら」の建造実績のあるMHI(三菱重興業)長崎造船所か「ちょうかい」の建造実績があるIHI(石川島播磨重工業)東京第1工場の2つの造船会社で受注合戦が行われました。

その結果、現存する日本のイージス艦6隻のうち5隻を建造してきたMHIが2015年(平成29年)、新型イージス艦の1番艦(艦載武器システムを含めて約1,700億円、船体は400億円)の受注に失敗。

それに続き、MHIは2016年(平成28年)の入札でも2番艦を取り逃がしました。
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Wikipediaより引用

いずれも受注したのはJMU(Japan Marine United:ジャパン・マリン・ユナイテッド)2013年(平成25年)にJFEホールディングスやIHIなどが設立した同社は新型イージス艦2隻のほか、大型ヘリコプター搭載艦4隻(直近のいずも型2隻で合計2,300億円)も連続建造しており、艦艇の受注争奪戦で圧勝していました。

また、ODA(Official Development Assistance:政府開発援助)での支援が決定したフィリピン向け巡視船10隻の建造や海上保安庁向けの大型巡視船の建造枠も受注し、注目を集める存在となっています。

MHIが受注合戦で敗北した理由はダイヤモンド社が提供するビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」が考察していたので、関心のある方はこちらをお願いします。

※27DDGの起工は2017年4月をもって行われているとの情報があります。
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2016年(平成28年)10月JMU呉工場第4修理ドックに入渠中の「いせ」

■3.機関
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写真はブロ友の「キョマカイちゃん」さんより提供して頂きました(`・ω・´)ゝ

機関における最大の特徴は、あさひ型護衛艦と同様に機関形式がCOGLAG(Combined Gas turbine eLectric And Gas turbine:ハイブリッド推進方式)に変更されたことです。

COGLAG方式とは、既存の機関推進方式に新たに電気推進方式を組み合わせた推進方式であり、海上自衛隊では25DDであるあさひ型護衛艦から採用されています。

その特徴は、従来のCOGAG方式と比べ低速航行時の燃費効率が格段に向上し、燃費消費を抑えることができ、より長期の行動や任務へ対応できるようになるほか、護衛艦としてのライフ・サイクル・コストの大幅な低減も期待されているとのことです。

COGLAG方式を採用したことに伴い、高圧配電盤、推進電動機、推進兼給電用ガスタービン発電機などを収めるために船体長が約5.0m延長されており、これにより基準排水量があたご型の7,700tから8,200tに拡大されました。

また4台あったガスタービン主機の内、2台が推進電動機に置き換えられたため、あさひ型護衛艦で見ても第2煙突の大きさが小さくなっています。
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ちなみに、米海軍協会の「CFW:Comabat Fleets of the World」の「頭文字及び略語解説」の項にある「組み合わせ機関」を見ると用語の説明として、
接頭部のCOが「組み合わせ式」を示し
機関形式を示す符号として
D=Diesel engine(ディーゼル)
G=Gas turbine(ガスタービン)
S=Steam turbine(蒸気タービン)
L=Electrically powered spacecraft propulsion(電気推進)
上記のものがあり、組み合わせ形式として
A=and
O=or
としています。

ジェーン軍艦年艦だと機関形式を示す符号はもう少し多く
DE=Diesel Electric propulsion(ディーゼル電気推進)
GL=Gas turbine eLectric(ガスタービン電気推進)
N=Nuclear propulsion(原子力推進)
が加わります。
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■4.兵装
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■4-1.部隊防空機能/弾道ミサイル対処機能
8,200t型護衛艦は就役当初から最新の戦闘システム用プログラム(イージスBMD5.1)を搭載しており、SM-3 Block(ブロック)IIAと共にSPY-1D(V)レーダーの新信号処理装置であるMMSP(Multi Mission Signal Processor)、リンク16メッセージの改修により可能になりEOR(Engage on Remote)機能となります。

また、こんごう型はBMDモードで運用している時は防空能力が限定的になっていましたが、8,200t型護衛艦で導入されるIAMD(Integrated Air and Missile Defence)モードは、脅威の状況によりSPY-1D(V)レーダーのリソースを柔軟に振り分け、自動で弾道ミサイルと航空機及び対艦ミサイルなどに対処し、SM-3とSM-2が射撃可能となるため防空能力の向上が図れていると言われています。

さらにCECが加わり射撃管制に使用可能なレベルの精度の高いトラック情報を共有することによりSA(Situation Awareness)能力が向上します。

現段階で長射程SAMのSM-6に対するリリーサビリティが米海軍から降りているかどうかは不明ですが、もし導入されれば8,200t型護衛艦の防空能力は飛躍的に高まるでしょう。

■4-2.搭載兵装
次期イージス艦である27DDGの兵装を改めてまとめると。。。
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62口径5inch単装砲(Mk45 mod4 5inch(127mm)単装砲)1基

あたご型、あさひ型、あきづき型と同タイプになると思われます。
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高性能20mm機関砲(Mk15 mod25 20mm Phalanx)2基

Sea RAMは搭載されるか分かりません。

また、高性能20mm機関砲のバージョン(Block)も不明です。

※上部のVPS-20レーダーの納まるレドームは灰色になりそうですね。
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Mk41VLS(垂直発射装置)

搭載ミサイルに関しては、下記だと思われます。
ASROC:射程11km
RIM-162 ESSM :射程30~50km
RIM-7 Sea Sparow:射程26km
RIM-156 SM-2:射程160km
RIM-161 SM-3:射程1,200km
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■4-3.搭載を希望する兵装
この項目では、私の独断と偏見で27DDGに搭載されないかなー、という兵装を記載させて頂きます。

※他にご意見等ありましたら、下記コメント欄よりお願いします!!
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RIM-174 SM-6

RIM-174 Standard ERAM(Extended Range Active Missile)は米海軍によって開発中の艦対空ミサイルになります。

そしてSM-6は固定翼機やヘリコプター、UAV、対艦巡航ミサイルなどを対象とする長距離対空ミサイルです。
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全長  :6.55m
弾体直径:0.53m
翼幅  :1.57m
重量  :1,500kg
射程距離:370km
最大高度:33,000m
速度  :Mach3.5
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ミサイル本体はスタンダード・ミサイルの射程延長型エアフレームにSM-2の弾頭とAIM-120空対空ミサイルのアクティブ・シーカーを組み合わせています。

このため、誘導にアクティブ、セミアクティブ双方のモードを利用することができ、優れたシグナル・プロセッシングと誘導制御の能力を得て、高速の目標や艦のイルミネーターの範囲外にいる目標の捕捉も可能となりました。

これによりイージス・システムのイルミネーターへの負担が軽減され、同時交戦目標数の飛躍的な増加が期待できるとのことです。

2015年5月、SM-6は低率生産から量産体制へと移行し、米海軍とオーストラリア海軍への採用が決定しています。

実際に配備されるとしたら既存のスタンダード・ミサイル同様に1セルにつき1発が納められる予定です。
ーーーーーーーーーー
ちなみに「RIM」の意味に関しては下記のようになっております。
R:艦載(Ship-Launched)
  水上艦艇から発射されるもの。
I:対空迎撃(Intercept)
  空中の目標を攻撃するために設計されたもの。
  目標は航空機及びミサイルを含む。
G:対地/対艦攻撃(Ground-Target)
  地表面又は海面上の目標を攻撃するために設計されたもの。
M:ミサイル(Missile)
  誘導装置で制御される経路を飛行する無人の飛翔体。

例を挙げると。。。
RGM-6   Regulus(レギュラス)
RIM-7    Sea-Sparrow(シー・スパロー)
RIM-55  Typhon(タイフォン)
RIM-66  Standard Missile(スタンダード・ミサイル)
RGM-84  Harpoon(ハープーン)
RIM-162 ESSM(Evolved Sea Sparrow Missile:発展型シ・ースパロー)
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RIM-116C Sea-RAM(シー・ラム)

これはPhalanx(ファランクス)の架台にレーダー、光学センサーに艦対空ミサイルRIM-116Cの11連装発射機を組み合わせたものです。

通常のRAM(Rolling Airframe Missile)と比べ搭載段数は少ないですが、レドーム内に収められているVPS-2レーダーを使用することで、艦艇搭載の射撃指揮装置は別で完全自動の防空システムとなっています。
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Mk53 Nulka(ヌルカ)デコイランチャー

米海軍と豪海軍が開発した能動型電波妨害装置です。

ロケットモーターやデジタル飛翔制御装置を内蔵した全長2m、直径0.15m、重量50kgの円筒の上に電波放射器を取り付けたもので、連装発射筒から射出されて55秒以上空中に留まり発射艦から離れながら発射艦のRCSに相当するI-Jバンドの電波を放射し続けます。
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FAJ(Floating Acoustic Jammer:投射型静止式ジャマー)

FAJは自艦に向かつて高速で攻撃してくる音響ホーミング魚密に対して音響的手段を用いて自艦を防御するシステムであり、魚雷を捜索、探知、追尾する自艦音響センサー、魚雷に対して妨害、欺瞞を行う防御兵器です。

砲塔上の4連装発射機で、任意に旋回、仰俯角をとることができスペックは
投射距離:約1,000m
作動範囲:旋回左右130°
     仰俯上下5°~80°
となっており、全長1,380mm、直径130mm、質量25kgの弾頭を発射します。
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BGM-109C Tomahawk(トマホーク)

ゆきなみ型護衛艦にも搭載されていたTomahawk(トマホーク)艦対艦ミサイルです。

海自に対地攻撃能力を持って欲しいと願う気持ちとDDH182みらいの発射シーンとその戦果に影響を受けて載せてみました(苦笑)

仮に某大陸国家から先制攻撃を受けたとしても、射程3,000kmのTomahawk(トマホーク)であれば即時反撃が可能(撃ち落とされる可能性もありますが)かと思われます。

まぁ、既存艦に搭載するのであればVLSの交換からシステムの追加・アップデートが多々あると思うので、現実的ではありませんが。。。

※また、艦載用トマホークの生産が終了したとの情報もあるので、「希望」で終わる装備になりそうです。。。

■4-4.艦対艦誘導弾発射装置
90式SSM→新SSM(12式地対艦誘導弾の艦載版):射程150km以上??
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写真はWikipediaより引用。

新SSMは陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾の艦載版に該当します。
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写真は富士総合火力演習2016後段演習にて、某大陸国家の艦艇を攻撃する12式地対艦誘導弾発射機搭載車両。

従来の90式SSMに比べてSSM-1Bと比べて射程の延伸、誘導精度の向上、目標情報のアップデート機能の追加が図られるとのことです。

わざわざ装備の項目に記載しているくらいなので、発射機ごと新型に置き換えられる可能性があり、見た目での違いは88式の円筒形の発射機に比べ、12式は角ばった構成になっています。
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2016年(平成28年)12月には試験艦ASE6102あすかに新型SSMのキャニスターと思われるものが搭載され、相模湾にて発射の試験を行ったようです。

※ブロ友のbetchさんよりご提供頂きました^^

試験のデータはとれたようで、2017年(平成29年)1月現在はキャニスターが取り外され、発射管の架台のみになっている模様。

■4-5.対潜機能
8,200t型護衛艦はあたご型と比較し、さらに対潜捜索能力の強化が図られています。

ソナーシステムはあたご型同様米国から導入したハルソナーSQS-53Cおよび対潜ソナーシステムSQQ-89(V)ですが、関連する機器はそれぞれ能力向上が図られ多くの機能が追加されています。

また、あたご型が国産の曳航式パッシブソナーを装備していたのに対し、8,200t型護衛艦では米海軍の曳航式パッシブソナーであるMFTA(Multi-Function Towed Array)を装備するのが特徴です。

MFTAは、曳航式パッシブソナー本来の機能である潜水艦から放射される音を探知するパッシブ受波性能に優れるとともに、バイスタティック機能が追加されているという。

対潜攻撃武器は、Mk41 VLSから発射される垂直発射アスロック(VLA:Vertical_Launching_ASROC)及び三連装魚雷発射管HOS-303です。

なお、このHOS-303からは従来のMk46魚雷及び97式魚雷、12式魚雷の発射が可能となっています。
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■5.電子戦装置
■5-1.イージス・武器システムMk7・ベースライン9C
正式名称であるイージス・武器システムMk7に関しては新型のベース・ライン9Cを予定しています。

「ベースライン9」は航空機や対艦ミサイルといった対空目標と弾道ミサイルを同時に処理する能力が既存のものに比べ大幅にアップグレードしたものです。

またジャミングに対応するMMSP(Multi-Mission Signal Processor)も導入されるようで、MMSPはベースライン9を補完するシステムであり、拡張性能も高く、イージスBMDへのアップグレードも簡単に行うことができるようです。

ちなみに、現行のイージス・システム(ベースライン5や7)でも弾道ミサイルと航空機・対艦ミサイル同時対処能力はあります。

実際に「USS CG70 Lake Erie(レイク・エリー)」がSM-3ブロック1AとSM-2によって模擬弾道ミサイルと模擬対空目標の同時迎撃に成功しています。

ベースライン9はこれらの上位互換版なので、インストールが完了すれば対空戦か対弾道ミサイルかという選択に迫られることはなくなります。
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ベースライン1:Ticonderoga(タイコンデロガ)級初期建造艦5隻に搭載された初期のイージスシステム。2005年に搭載艦は全て退役。

ベースライン2:ミサイル・ランチャーをMk41 VLSに変更し、改Ticonderoga級とも呼ばれるCG52~CG58番艦の7隻に搭載されているバージョン。現在は全艦ベースライン8にアップデートされている。

ベースライン3
システムの軽量化が成され、Ticonderoga級のCG59~CG64の6隻が搭載しているシステム。順次にベースライン9にアップデートしている。

ベースライン4
海上自衛隊のこんごう型DDG173~DDG175が搭載しているイージス・システム(正確にはベースラインJ1)。米海軍はTiconderoga級CG65~CG73の9隻、Arleigh Burke級DDG51~DDG67の17隻が搭載。

ベースライン5
指揮・管制機能や情報連携能力が強化され、民生品の導入により調達コストも低下したシステム。Arleigh Burke級DDG68~DDG78、こんごう型「ちょうかい」が搭載。

ベースライン6
ESSMを搭載し、フェーズドアレイ・レーダーを新型のフェースⅢに換装。Arleigh Burke級DDG79~DDG90が搭載。

ベースライン7
CECに当初より対応し、スタンダード・ミサイルであるSM-2ブロックⅢBにも装備可能。Arleigh Burke級DDG91~、あたご型護衛艦全艦、世宗大王級駆逐艦全艦、Álvaro de Bazán(アルバロ・デ・バサン)級フリゲート全艦。

ベースライン8
Ticonderoga級に搭載されたイージス・システムを近代化するために開発されたバージョンで、改修点は下記の通り。

AN/SPQ-9B低空警戒レーダーの導入
CIWSのPhalanx Block1Bへの更新
Mk45 5inch主砲の長砲身化(54口径から62口径へ)
対潜戦能力の向上(対潜システムをAN/SQQ-89A(V)15、船首装備ソナーをAN/SQS-53D、曳航ソナーをMFTAへ更新、艦載機としてMH-60Rに対応)

ベースライン9
9A:ベースライン3搭載艦(Ticonderoga級6隻への改修用で、2012年より順次に搭載改修を開始しています。BMD機能を持たないAAW機能特化型。

9B:ベースライン4搭載艦のうちTiconderoga級9隻への改修用として計画されていたものの、キャンセルとなりました。

9C:ベースライン4搭載艦のうちArleigh Burke級17隻への改修用。IAMD機能を有する予定。

9D:Arleigh Burke級FlightIIAの建造再開艦(DDG113~)への搭載用。IAMD機能を有する予定。

9E:陸上版イージスへの搭載用。BMD機能を有する予定。
ーーーーーーーーーー

在日米海軍(第7艦隊)の艦艇では、USS DDG52 Barry(バリー)、USS DDG65 Benfold(ベンフォールド)、USS DDG69 Milius(ミリウス)がベースライン9に改修したイージス艦を配備済み/配備する予定です。

■5-1-1.日本国内のイージス艦に関して(2017年4月1日現在)
所属/艦名など/ベースライン(BL)/弾道ミサイル防衛能力(BMD)
海上自衛隊
第5護衛隊/DDG173こんごう/BL5.2/BMD3.6
第6護衛隊/DDG174きりしま/BL5.2/BMD3.6
第3護衛隊/DDG175みょうこう/BL5.2/BMD3.6
第8護衛隊/DDG176ちょうかい/BL5.2/BMD3.6
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ゲストの方よりご指摘頂き、上記を修正致しました。
この度は誤った情報を載せており、申し訳御座いません。
また、ご指摘頂いたゲストの方、誠にありがとうございました。
ーーーーーーーーーー
第3護衛隊/DDG177あたご/BL7mod.6(V)/BMD5.0(予定)
第2護衛隊/DDG178あしがらBL7mod.6(V)/BMD5.0(予定)
※23中期防にて、あたご型のBMD能力付与が決定し、平成24年度予算から複数年度に渡り、BMD艦化改修費が予算化されました。

在日米海軍
第7艦隊水上戦闘部隊/USS CG54 Antietam(アンティータム)/BL2/-
第7艦隊水上戦闘部隊/USS CG62 Chancellorsville(チャンセラーズビル)BL9A/BMD5.0
第7艦隊水上戦闘部隊/USS CG67 Shiloh(シャイロー)/BL4/BMD3.6
※ベースライン9にBMD5.0が統合される計画とのこと。

第15駆逐隊/USS DDG52 Barry(バリー)/BL9C/BMD5.0CU
第15駆逐隊/USS DDG54 Curtis Wilbur(カーティス・ウィルバー)/BL9C/BMD3.6
第15駆逐隊/USS DDG56 John S McCain(ジョン・S・マケイン)/BL9C/BMD3.6
第15駆逐隊/USS DDG62 Fitzgerald(フィッツジェラルド)/BL9C/BMD3.6
第15駆逐隊/USS DDG63 Stethem(ステザム)/BL9C/BMD3.6
第15駆逐隊/USS DDG65 Benforld(ベンフォールド)/BL9C/BMD5.0CU
第15駆逐隊/USS DDG85 McCampbell(マッキャンベル)/BL6/-
第15駆逐隊/USS DDG89 Mustin(マスティン)/BL6/-

日本に配備予定のイージス艦
-/27DDG/BL9C/BMD5.0
-/28DDG/BL9C/BMD5.0

第15駆逐隊/USS DDG69 Milius(ミリウス)/BL9C/BMD5.0CU?

日本からいなくなったイージス艦(ノД`)・゜・。
第15駆逐隊/USS DDG82 Lassen(ラッセン)/BL6/-

■5-2.BMD(Ballistic Missile Defense:弾道ミサイル防衛)5.1
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※ブロ友の「すーさん」さんより頂いたJMUにて改修中のDDG177あたご

執筆中m(_ _)m

■5-3.艦載レーダー
対水上レーダーがあたご型のOPS-28DからSPQ-9Bに変更されています。
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対水上レーダーOPS-28D
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対水上レーダーSPQ-9B(マスト上部の何とも言えない形状のもの)

SPQ-9Bはロッキード・マーティン社製の三次元レーダーです。

低空目標(シースキミングなど)に対する探知能力が従来のレーダーよりも向上しており、イージスシステム搭載艦の一部にも、SバンドのAN/SPY-1を補完するレーダーとして、順次追加搭載されつつあります。

■6.艦名
27DDGの艦名が気になっているミリオタの方は多いかと存じます(私もその内の一人です)。

海上自衛隊の艦艇の命名基準によると「護衛艦」と「潜水艦」は「警備艦」というカテゴリーの中でも「機動艦艇」に分類されます。

そこから「護衛艦」と「潜水艦」に枝分かれし、護衛艦の命名基準は天象・気象、山岳、河川、地方の名(旧国名)となっています。

そして海自のミサイル護衛艦は1993年に竣工した「こうごう」から「きりしま」、「みょうこう」、「ちょうかい」、「あたご」、「あしがら」と山岳名が続いており、27DDGは一応あたご型護衛艦の三番艦という位置付けなので艦名が山岳名から付けられる!!と言っても過言ではないでしょう。

※あたご型護衛艦のネームシップである「あたご」ですが、艦名の由来は京都府の愛宕山に因んで命名されており、旧帝国海軍時代を含めると四代目に当たります。

また、三代目は高雄型重巡洋艦の二番艦であり、それぞれの艦名は「高雄」、「愛宕」、「鳥海」、「摩耶」でした。

「あしがら」の艦名も含めると妙高型重巡洋艦に属し、それぞれが「妙高」、「那智」、「足柄」、「羽黒」という名前で就役し、太平洋戦争を戦いました。

「愛宕(あたご)」、「鳥海(ちょうかい)」、「妙高(みょうこう)」、「足柄(あしがら)」が既に命名されているため、27DDGに名付けられるとすれば「高雄(たかお)」、「摩耶(まや)」、「那智(なち)」、「羽黒(はぐろ)」の4つに絞られます。

※Google先生で「27DDG」で検索した際に関連キーワードで「27DDG あかぎ」と出てきますが、上記の理由により可能性は低いと考えております

まぁ、DDH183いずも→DDH184かがとなったり、艦艇の命名基準が変更したりするので、どうなるかは分かりませんが。。。

建造が予定されているのは二隻なので、個人的には27DDGが「たかお」で28DDGが「まや」。。。が希望です^^v

さてさて、どんな艦名になるのかミリオタを楽しませてくれますね*^^*

■7.参考文献
世界の艦船2016年1月号(No.828)
JShips2016年4月号(Vol.67)
Wikipedia
我が国の防衛と予算 平成27年度予算の概要
我が国の防衛と予算 平成28年度予算の概要
THE NATIONAL INTEREST
※写真に関しては、上記参考文献のほか、ブロ友さんから頂いた写真や私がこれまでのミリ活・艦活で撮影したものを使用しています。

最後まで記事を読んで頂き、誠にありがとうございましたm(_ _)m

※記事内容はGoogle、Yahoo!の関連キーワード、予測キーワードも参考にして執筆しています。そのため、定期的に記事を修正・加筆する予定です。

前回の記事の続きです^^♪

「あきづき」のマストや主兵装を見たので、見学順路に従い左舷側のスカートを潜ります o(・ω・o)=з=з 

イメージ 2

前部甲板付近のスカートには消火装置が設置されていました。

消火栓にラックに入っている消火ホースを繋ぎ、火災などの消火に使用します。

歩を進めていくと。。。

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前部の舷梯(ラッタル)が収納されていました^^

この部分を外から見ると下記のようになります。

イメージ 19

上記写真で言うと、右下の部分になります。

舷梯を収めるハッチは横方向と縦方向に2分割されて開きます。

舷梯収納部の後方にある小型のハッチはHOS-303 3連装魚雷発射管の収納部です。

こちらは上方向に艦内へ引き込まれるようにして開きます。

イメージ 4

艦内に設置された標識です^^

それぞれが表しているのは、下記の通りです。

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T:戦闘指揮所→Operations roomの「O」じゃないの?
+:医務室→同様にMedical officeの「M」じゃないの?赤十字の「+」?
D:洗浄所→同様にWashing plantの「W」じゃないの?
----------

上記に関しては調べておきます^^♪

イメージ 5

両舷に設置されている、HOS-303 3連装魚雷発射管です。

H=発射管、O=水上艦、S=短魚雷、300番台は3連装を表します。

国産の68式HOS-301の改良型で、米海軍での正式名称はMk32短魚雷発射管です。

3本の発射管が俵上に組まれており、狭い艦上スペースへの運用を容易にしています。

「あきづき」型ではステルスシールド内に収められ、使用時のみ舷側のシールドを開き、発射管を斜め45度に指向して発射します。

また、HOS-303では新型の12式短魚雷、97式短魚雷、73式短魚雷の搭載が可能です。

続いて、第1煙突の後方に出ます o(・ω・o)=з=з

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あきづき型から装備された新しいTCM(Torpedo Counter Measure:魚雷防御システム)であるFAJ(Floating Acoustic Jammer:投射型静止式ジャマー)は砲塔型の発射装置から対魚雷用の音響欺瞞装置です。

第2煙突前方の第1甲板中央部に装備します。

発射装置は4連装で、それぞれの発射口はアーム式の蓋が設けられています。

FAJは発射装置から打ち出され、1,000m先の上空で落下傘に吊られて落下し、着水後は海面に浮遊します。

艦が発するエンジン音やスクリュー音を発生させることで約7分間、音響ホーミング式の魚雷を誘引します。

イメージ 6

FAJへと続く、弾薬移送用のレールです。

鮮やかな朱色の救急浮標が収納され、それぞれ自己点火灯や黄色の浮きがセットになっています。

「やくしま」の落水の際にもこれが活躍していれば。。。と考えてしまいますm(_ _)m

イメージ 7

左舷中央部から艦首方向を望みました(*´▽`*)

艦橋横のウィングには65式12cm双眼鏡や30cm探照灯を確認することができます。

その1段下のチャフ甲板にはチャフ・ロケットシステム(Mk36 SRBOC:Super Rapid Bloom Offboard Countermeasures)が設置され、その更に下には膨張式救命筏が装備されていました。

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右舷側のチャフ・ロケットシステムです。

この防御兵器は、攻撃機や対艦ミサイルなどの攻撃に対処し、これを撹乱するために用いられます。

多くの場合、電子戦支援(ESM)システム(レーダー警報受信機など)と連動して、脅威を探知すると同時に、自動的に対抗手段を投射して、艦の周囲に展開することができます。

イメージ 9

第2煙突前に置かれていた90式4連装SSM発射筒とその架台です。

90式SSMは発射筒に収められ、SSM発射筒4基を束ねた発射機として装備されています。

架台自体は非常に簡素な構造で、筒の中にはSSM-1B(90式艦対艦誘導弾)が入っています。

これは陸上自衛隊が開発した88式地対艦誘導弾の艦載型であり、海上自衛隊では90式艦対艦誘導弾として正式採用されています。

ちなみに、対艦ミサイルをVLS内に収めない理由は、対空ミサイルほどリアクションタイムを短くする必要がないからだそうです。

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■90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)
全長:5.0m
直径:0.35m
翼幅:1.16m
発射重量:661kg
推進:固体燃料ブースター+ターボジェット
誘導:INS+ARH
制御:空力翼
弾頭:HE 225kg
射程:150km
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イメージ 10

「あきづき」の船体中央から後部ヘリコプター格納庫へと続く戦闘通路になります。

上記写真の通り、床面にはタイル状の滑り止め加工がされていることが分かります。

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2015年10月の阪神基地にて一般公開された際の「てるづき」の戦闘通路です。

「てるづき」はあきづき型の2番艦ですが、ディティールでは違いが見受けられます。

イメージ 12

後部構造物の側面です^^/

救急浮標とそれぞれ自己点火灯や黄色の浮きのセット、消火栓とラックに収められた消火ホース、通信・給電ボックスが壁面に取り付けられています。

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洋上給油用のブローブレシーバーです。

ブローブレシーバーを囲むように、壁面に取り付けられているリングプレートやクリートは白色で塗られています。

それでは、後部ヘリコプター格納庫へと入ります o(・ω・o)=з=з

イメージ 14

格納庫入り口の柱はむらさめ型、たかなみ型同様に折り畳んでから跳ね上げ、開口部を一つにすることができるそうです。

天井には左右を横断するホイストクレーンを装備しています。

奥に見えるのは、次の記事でご紹介する予定の対潜哨戒機であるSH-60K SeaHawk(シーホーク)です(*´▽`*)

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天井を這っているダクトが気になります(苦笑)

写真左下の人が集まっているところには。。。

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「あきづき」初代艦長である髙田昌樹1等海佐がデザインしたとされている猫ちゃん入りの帽子とマグカップが売られていました(笑)

次はどんな猫ちゃんがデザインされるのか(*´▽`*)

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写真下の装備にも名称があるのでしょうが、今の私には分かりません。。。

調査しておきます(`・ω・´)ゝ

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この溝は新型の着艦拘束装置であるMk6 ASISTの軌条になります。

艦載ヘリコプター1機に拘束装置1基が必要で、汎用型護衛艦で2本の軌条を備えたのはあきづき型が初となります!!

次回が「あきづき」一般公開の最後で、SH-60Kから始めさせて頂きますm(_ _)m

潜水艦「せきりゅう」の引渡式・自衛艦旗授与式について
出典:海上自衛隊トップページ > プレスリリース

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※2015年11月に撮影した進水したばかりの「せきりゅう」

イメージ 2

■潜水艦「せきりゅう」の引渡式・自衛艦旗授与式について

次のとおり、潜水艦「せきりゅう」の引渡式・自衛艦旗授与式が実施されます。
1.日 時
平成29年3月13日(月)11:30~14:30
2.場 所
川崎重工業株式会社 神戸工場
3.執行者
(1)引渡式
川崎重工業株式会社 取締役社長 金花 芳則(かねはな よしのり)
(2)自衛艦旗授与式
呉地方総監 海将 池 太郎(いけ たろう)
4.潜水艦「せきりゅう」艦長
2等海佐 渡邉 正裕(わたなべ まさひろ)
5.主要行事
11:30~11:35 引渡式
11:35~12:15 自衛艦旗授与式
12:50~13:45 祝賀会
14:20~14:30 出港見送りなど

→これは休みを取らないと(苦笑)

潜水艦の引き渡しを見るのは「ずいりゅう」、「こくりゅう」と続いているので、毎年の習慣にしたいですね(*´▽`*)

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